Let’s start the marathon

【山下監督に聞く!】
「マラソンとは、走ることとは…」

STEP1 山下監督に聞く マラソンとは、走ることとは
STEP
1
⼭下監督

山下監督はじめまして!ずばり「マラソンの魅力」とは何ですか?

⼭下監督

山下監督

達成感ですね。完走した後に感じる「やりきった感」は自信にもつながります。ちょっとだるいくらいなら、走りに行った方が「やりきった感」が勝るのではないでしょうか?その気分は、初心者のランちゃんでも結構大きく味わえると思います。30分でも60分でもよいので、決められたことをやり遂げるというのは、精神衛生上もいいと思います。また、マラソンを走るにあたっていろいろ準備することで、体のことに詳しくなったり、食事にも気を遣うようになるし、何カ月もかけてトレーニングすることで得られる達成感は、フルマラソンに勝るものはそうはないと思います。完走したら気持ちがいいですよ~。

ランニング経験はありませんが、ハーフマラソンを完走したいと思っています!そしていずれはマラソンに挑戦したいと思います。どのくらいの期間、まずは何から始めたらよいですか?

⼭下監督

山下監督

全くの初心者がハーフマラソンを目指す場合、3カ月程度は準備期間を設けた方がいいですね。いきなり走ってはいけないわけではないですが、まずはウォーキングを中心に運動量を増やすことから始めてみましょう。「55分ウォーキングして、最後の5分を走ってみる」なんていうやり方も、ありです。ウォーキングとジョギングを混ぜながら、最低でも60分間体を動かすことから始めると初心者でも無理がないと思います。

POINT1
ウォーキングで意識すること
散歩とは違うので、少し大股で、腕も前後にしっかり振って歩きましょう。ちょっと息が乱れたり、汗ばんだりすると思います。早歩きをするイメージです。
POINT2
ジョギングのペース
選手のレベルのジョギングだと、ゆっくりペースで1kmあたり5~6分くらいですが、初心者は1kmあたり8~10分くらいのペースだと、それほど息も上がらず負担が少ないでしょう。早歩きのペースが良いでしょう。
POINT3
ジョギングのスケジュール、期間
最初から続けて60分走り続けるのは無理なので、最初はウォーキングを混ぜながら「5分ジョギングしたら15分ウォーキング」を3回繰り返します。慣れてきたら、「10分ジョギングしたら10分ウォーキング」という風に、徐々にジョギングの時間を増やしていきましょう。
自分の感覚で苦にならないようなところでやっていくのがベストです。まずは60分完走を目指し、大丈夫になったら、次は90分を目指しましょう!もしも筋肉痛や足の痛みが出たら、あまり無理をしないで一時中断し、「3歩進んで2歩下がる」くらいの気持ちで進めていきましょう。体と相談しながら楽しんで!!

楽しみながら続けることがコツですね。
わたしはすぐに筋肉痛になりそうな気がします。筋肉痛の対処法を教えてください。

⼭下監督

山下監督

いつものフォームで走れないほどの筋肉痛なら、水泳や軽いウォーキング、お風呂で温まった後にストレッチなどで対処すると良いと思います。筋肉痛は、“今まで使っていない筋肉が刺激された”という印なので、それが修復されたらさらに強くなるということ!ですから完全に筋肉痛がなくなる一歩手前くらいでトレーニングを再開しても、問題はないです。そのうち筋肉痛にならなくなれば、それはそれで体が慣れてきて強くなったという証拠です。

まとめると、全くの初心者でハーフを目指すランちゃんは、最終的にジョギングで2時間走れるようになれば、エントリーしてみてもいいという感じです。3カ月で無理であれば、それが4カ月後でも半年後でも、人それぞれでしょう。

本番までに1~2回は2時間を走ることができれば理想ですが、一発集中タイプの人は90分程度続けて走れるようになれば十分かもしれません。実際のハーフマラソン本番で初心者の方は、1kmを6分くらいで走ると2時間以上かかると思いますが、2時間以上走るのは本番でのお楽しみ…、というのもまた良いと思います。

筋肉痛を楽しみながら、自分のペースでやっていきたいと思います。まずはウォーキングから!だんだんと「走ること」について分かってきた気がします。次回もよろしくお願いします。

WRITER
山下 佐知子

山下 佐知子監督

1987年3月
鳥取大学教育学部卒業
1991年3月
名古屋国際女子マラソン優勝
1991年8月
第3回世界選手権東京大会女子マラソン2位
2時間29分57秒(自己ベスト)
1992年8月
バルセロナ五輪女子マラソン4位
1994年5月
第一生命入社
1996年4月
第一生命監督

ひとりひとりの個性を大切にする指導を心がけています。自分たちの夢を実現させるためには、苦しい練習も日々の節制も笑いながら平然とやるような向上心の強いチームを目指しています。現状をしっかり見つめ、可能性を見い出すところからスタートします。陸上競技を通じて自分の人生を切りひらきたいという強い意志の持ち主なら大歓迎いたします。