第一生命は次世代を担う子どもや若者を支援する観点から、「次世代支援」に資するさまざまな社会貢献活動に取り組んでいます。日本においては、少子高齢化が喫緊の課題となっています。生命保険事業にも影響を及ぼすこの課題の解決に、当社は引き続き力を注いでいきます。当社グループの持つリソースを最大限に活用し、次世代支援に貢献することで、持続可能な社会の実現を目指しています。
当社は、「世界に通用する選手育成のためにはジュニアからの強化が重要である」という公益財団法人日本テニス協会の趣旨に賛同し、1983年の第1回より本大会に特別協賛するとともに、当社所有のクレーコート(東京・仙川)を大会会場として提供しています。また2022年に、本コートを屋外型として国内初となるレッドクレーコートに改修したことで、選手育成強化への更なる支援に繋がっています。毎夏、熱戦が繰り広げられ128人の選手が頂点を目指し、大会を通してフェアプレイの精神・マナー・感謝の気持ちを学びます。2024年で第42回を迎え、これまでに、錦織圭選手、日比野菜緒選手ら、国際的に活躍する選手を多数輩出しています。長年にわたるこうした活動が評価され、当社は2014年に、公益財団法人日本テニス協会から3回目となる「特別企業賞」を受賞しました。
第42回大会男子優勝 オトリエ 龍馬さん
第42回大会女子優勝 岩佐 綾香さん
1965年、交通事故撲滅を推進する取組みとして、全国の新入学児童に交通事故傷害保険付きの「黄色いワッペン」を贈る事業が開始されました。当社は2003年より参画し、現在はみずほフィナンシャルグループ、損害保険ジャパン、明治安田生命および当社の4社で実施しています。
黄色いワッペン東京贈呈式
交通安全教室の様子
「ライフサイクルゲーム」はすごろく形式のゲームを楽しみながら結婚・住宅購入などのライフイベント、病気・ケガ等のリスク、振り込め詐欺や架空請求といった消費者被害事例等、人生を疑似体験することができる消費者教育・金融保険教育教材です。
成年年齢の引き下げや高校における金融教育の必須化等、社会情勢の動向を受け、2022年4月に「ライフサイクルゲームⅢ」としてリニューアルし、投資信託や生命保険等の金融商品についても学べるツールとして、多くの中学・高校や企業等で活用いただいています。
本教材は当社のホームページを通じて注文でき、全国の学校や自治体・企業等へ提供しています。また、社員による出張授業・研修も実施しています。
【ご参考】ライフサイクルゲームⅢの提供数、出張授業・研修実施回数(2023年度)
高校での出張授業の様子
平面美術の領域で国際的に通用する将来性のある40歳以下の若手作家の育成・支援を目的に、上野の森美術館にて開催されている「VOCA(ヴォーカ)展」(The Vision of Contemporary Art 現代美術の展望-新しい平面の作家たち)に第1回(1994年)より特別協賛しています。これまでに、Nerhol(2020年VOCA賞)、蜷川実花(2006年大原美術館賞)などが受賞しており、近年では若手作家の登竜門として高く評価されています。第32回のVOCA展2025では、全国各地から推薦された新進気鋭の作家23組(24名)による力作が出品され、優秀作品には賞が贈られました。
第一生命は、毎年の展覧会の特別協賛に加え、受賞作品の一部を収蔵し、日比谷本社1階ロビーや、「第一生命ギャラリー」で定期的に作品を公開しています。さらに、同ギャラリーにて受賞作家の個展を開催し、受賞後の制作活動を発表する場を提供することで継続した支援を行っています。
こうした活動が評価され、当社は2000年に公益社団法人企業メセナ協議会より、芸術文化の振興に高く貢献した企業・財団を顕彰する「メセナ大賞」を受賞しました。
第一生命ギャラリー
第一生命ロビー
《在る家の日常》
宮本 華子
VOCA展2025 VOCA賞
当社は、「次世代支援」に資する地域貢献としてトリトンアーツ(呼称)を支援しています。
トリトンアーツは、第一生命ホール(東京)※を拠点とした音楽公演の企画運営、日ごろ音楽ホールに来場しにくい子ども達や福祉施設の方々に良質な音楽をお届けするアウトリーチ活動を実施しています。子ども達には豊かな感性を育む時間、お年寄りや患者様には癒しの時間となっています。各事業を、個人・法人会員、市民サポーター、当社ボランティアが物心両面から支えているのも特徴です。
当社は2009年に公益社団法人企業メセナ協議会より「メセナ大賞」、トリトンアーツは2017年に東京都より「東京都共助社会づくりを進めるための社会貢献大賞」特別賞を受賞しました。
当ホールでは、親子で楽しむ「子どもといっしょにクラシック」シリーズ、心と身体をリフレッシュできる「ごほうびクラシック」シリーズ、コンサートマスター矢部達哉氏率いる「トリトン晴れた海のオーケストラ」等、様々なお客さまが楽しめるコンサートを行っています。
第一生命ホール
アウトリーチ活動
当社は2011年より、保育所入所待機児童問題の解消に向け、業界で初の試み(当社調べ)として、保育所運営会社である(株)JPホールディングスならびに(株)ポピンズと連携し、全国に保有する不動産物件を活かし、保育所誘致に取り組んでいます。
この取組みは、自治体ならびに保育所運営会社との協議や、設備面での法的要件確保や安全対策工事、既に入居されているテナントへの配慮など、通常のテナント誘致とは異なるさまざまな対応が必要となります。
これまでの継続的な取組みにより、2024年4月末時点で54か所の保育所を誘致・投資し受入可能児童定員数は3,255名と、本取組開始当初の目標である2,500名(2011年4月時点の全国の待機児童数の約1割に相当)を超過達成しています(下表参照)。
今後も引き続き、保有不動産への保育所誘致に取り組んでいきます。
保育所誘致実績(2024年4月末時点)
保育所名 | 所在地 | 定員 |
---|---|---|
アスク海浜幕張保育園 |
千葉県千葉市 |
59 |
幼保園ベビーサロン 新中野 |
東京都中野区 |
31 |
アスク南大井保育園 |
東京都品川区 |
90 |
ピノキオ幼児舎 新高円寺園 |
東京都杉並区 |
28 |
ポピンズナーサリースクール田端 |
東京都北区 |
58 |
キッズスクウェア 東京スクエアガーデン |
東京都中央区 |
30 |
社会福祉法人陽光会 たけの保育園 そら分園 |
兵庫県神戸市 |
20 |
ポピンズナーサリースクール三鷹南 |
東京都三鷹市 |
70 |
ポピンズナーサリースクール百合ヶ丘 |
神奈川県川崎市 |
60 |
あい保育園昭和町 |
大阪府大阪市 |
139 |
ローリスナーサリー大森 |
東京都大田区 |
37 |
うちゅう保育園かまくら |
神奈川県鎌倉市 |
60 |
ピノキオ幼児舎 野方保育園 |
東京都中野区 |
99 |
あい・あい保育園 東池袋園(※1) |
東京都豊島区 |
60 |
レイモンドあしびなー保育園 |
沖縄県那覇市 |
50 |
キッズガーデン南大井 |
東京都品川区 |
90 |
ほほえみの森保育園 |
東京都立川市 |
40 |
あいぐらん保育園米子 |
鳥取県米子市 |
12 |
あい保育園王子 |
東京都北区 |
80 |
ポピンズナーサリースクール桜台 |
東京都練馬区 |
70 |
レイモンド元住吉保育園 |
神奈川県川崎市 |
70 |
ICEモンテッソーリこどものいえ川崎 |
神奈川県川崎市 |
24 |
キッズガーデン業平 |
東京都墨田区 |
72 |
レイモンド中原保育園 |
神奈川県川崎市 |
80 |
あおい宙東灘保育園 |
兵庫県神戸市 |
60 |
レイモンド汐見丘保育園 |
千葉県千葉市 |
50 |
豊洲キュービックガーデン(※2) |
東京都江東区 |
12 |
サウスポット静岡 |
静岡県静岡市 |
12 |
桜通大津第一生命ビルディング(※2) |
愛知県名古屋市 |
12 |
新大阪第一生命ビルディング(※2) |
大阪府大阪市 |
12 |
みらいく矢上園 |
神奈川県横浜市 |
60 |
いちざきみんなのいえ |
福岡県福岡市 |
90 |
認可保育所15物件(※3) |
東京都23区内 |
1,011 |
認可保育所4物件(※3) |
東京都23区内 |
281 |
ほっぺるランド佃大橋 |
東京都中央区 |
76 |
根津保育所 |
東京都台東区 |
90 |
認可保育所1物件(※3) |
東京都23区内 |
60 |
合計 |
3,255 |
鎌倉第一生命ビル 「うちゅう保育園かまくら」
当該財団は、待機児童対策が社会的に喫緊の課題であると認識し、子どもたちに良質な保育が提供されることを目指して新設の保育所および認定こども園を対象に遊具などの購入費用の助成事業(子どもの未来を応援する 保育所等助成事業)を行っています。
当助成事業は、次世代支援に寄与することを目的として、より多くの子どもたちに安全・安心な保育環境と、豊かな創造力を養う機会が提供されることを願って実施しています。
絵本と本棚
(練馬区・春アンミッコ保育園)
ビオトープ
(渋谷区・薫る風・上原こども園)
当社は、次世代を担う「子供の貧困」や「貧困の連鎖」を断ち切るための国民運動(子供の未来応援プロジェクト)に参画し、「子供の未来応援基金」を支援しています。
「生涯設計プラン」研修の様子
一般財団法人経済広報センター主催の「教員の民間企業研修」への参画や、職業観・勤労観の早期育成などを目的とした高校生インターンシップの受入れを行っています。これらを通じて、明日の日本を担う子どもたちの育成・教育の支援を行っています。
当社の創立者である矢野恒太は、わが国の生命保険に初めて相互組織を導入し、第一生命保険相互会社を創立しましたが、保険業界のみならず、統計・公衆衛生・社会教育・農業振興など各方面にも偉大な功績を残しました。当該財団は、恒太の逝去後に故人の事績を顕彰することを目的として、1953年に設立されました。
統計の普及・啓発事業で刊行している「日本国勢図会」「世界国勢図会」などの統計書は、学校の授業および入試問題、講演会、研修などに幅広く利用され、データブックのスタンダードになっています。その他、奨学金制度の運営、農業振興者の表彰(矢野賞)など各種公益事業を行っています。