お預かりした資産の
確実な運用を通じた「安心のお届け」

当社では、日本銀行によるマイナス金利政策を含む金融緩和政策が維持されることにより、当面は国内の低金利環境が継続すると見込んでいます。そのため、国内債券の購入を抑制する一方、比較的収益性の高い外国債券に対する機動的な投資を行うとともに、インフラ投資やプロジェクトファイナンスなどの新規・成長分野への投資を拡大することで、収益性の向上とリスク分散を図っています。

新規・成長分野への投資にあたっては、リスク管理体制の整備が極めて重要です。当社はプロジェクトファイナンスにいち早く取り組んでノウハウを獲得してきたことで、順調に投資対象を拡大することができ、結果として、低金利環境が続くなかでも5年連続の順ざやを確保することができました。引き続き、お客さまに対する安定したお支払いや、低金利などの厳しい環境下における運用収益の獲得に向けて、資産運用の高度化を図っていきます。

運用資産の構成(一般勘定)(2018年3月末現在)

収益向上・リスク分散の観点から投資対象国・通貨を拡大 39カ国、23通貨(2018年3月末現在)

左)トルコ共和国における病院整備運営事業に対するプロジェクトファイナンスへの投資	右)洋上風力発電設備建設プロジェクト(ドイツ)(写真提供元:Veja Mate Offshore Project GmbH)
左)トルコ共和国における病院整備運営事業に対するプロジェクトファイナンスへの投資
右)洋上風力発電設備建設プロジェクト(ドイツ)(写真提供元:Veja Mate Offshore Project GmbH)

ESG投資を通じた国内外に
おける社会課題の解決に向けて

債券部
アシスタントマネジャー
畠山 倫

当社は、機関投資家としての社会的責任を果たすとともに、中長期的な運用収益向上を図るため、ESG投資※1に取り組んでいます。これまで、国際開発金融機関が発行する社会貢献型債券への投資や、再生可能エネルギープロジェクトファイナンスなどに積極的に取り組んできたほか、株式・クレジットリサーチなどの投資プロセスにESG情報を組み込む「ESGインテグレーション」を導入しています。2017年度からは、投資収益の獲得と社会的インパクト創出の両方を目指すインパクト投資を開始しました。主な取組み事例としては、途上国でマイクロファイナンス※2事業を展開する国内ベンチャー企業「五常・アンド・カンパニー株式会社」に対する4億円の投資や、新世代バイオ素材の開発を行う山形県鶴岡市発のベンチャー企業「Spiber(スパイバー)株式会社」に対する10億円の投資などが挙げられます。

また、ESG投資にかかる取組みを持続的に高度化させるため、2015年に国連責任投資原則(PRI)に署名し、年度ごとに「ESG投資方針」を策定しているほか、取組みの進捗確認や資産運用部門内での理解向上を図るため「責任投資会議」を設置しました。

1. 投資を通じて地方創生にも貢献、2. 写真提供:アジア開発銀行、3. 写真提供:アジア開発銀行、4. 途上国における金融アクセスの改善を⽬指す五常・アンド・カンパニー株式会社への投資、5. 写真提供:アジア開発銀行
1. 投資を通じて地方創生にも貢献、2. 写真提供:アジア開発銀行、3. 写真提供:アジア開発銀行、4. 途上国における金融アクセスの改善を⽬指す五常・アンド・カンパニー株式会社への投資、5. 写真提供:アジア開発銀行

こうした取組みが高く評価され、2018年3月に、生命保険会社として初の環境省「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則(21世紀金融行動原則)」における環境大臣賞を受賞しました。

また、当社では、「事業を通じた地域社会の課題の解決」を経営戦略のコンセプトの一つとして掲げていることから、これまでの取組みに加えて、資産運用を通じた「地方創生・地域活性化」にも取り組んでいく方針です。

当社は、引き続きESG投資を高度化させることで、中長期的な運用収益を向上させるとともに、機関投資家としての社会的責任を果たしていきます。

  • ※1 ESG投資とは、定量的な財務情報に加え、環境・社会・ガバナンス(Environment, Society and Governance)の要素を考慮する投資手法です。
  • ※2 マイクロファイナンスとは、途上国の低所得者層に金融アクセスを提供することを通じて、途上国の人々の経済的自立と生活水準向上に寄与する取組みで、今後も成長が見込まれる分野です。