定年後の趣味とバランス

定年後の趣味とバランス今や多くの企業で実施されているセカンドライフセミナーでは、「生きがい」を何に求めるかといったテーマも設けられている。武田さん(53歳)が参加したセミナーでは、「定年後の自由時間は現役40年間の仕事時間に匹敵するくらい膨大」であり、趣味を持つことの大切さについてわかりやすい説明があった。
しかし、40年近く仕事一筋で生きてきて、「定年が近くなって急に趣味を持てと言われてもそれは無理ではないか」と感じた武田さん。確かに、別に趣味といえるようなものが無くても、自分自身が快適に時間を過ごす事が出来ればそれで十分ではないだろうか。仕事に追われていた現役時代と同じように、定年後今度は必死で趣味を追う人も時々見かけるが、そこは人、それぞれ。
自分自身がやっていて快適と感じる「何か」があればいい。「何か」とは人それぞれで、何でもいいのだが、そこで「身体を動かしてすること」と「 頭を使ってすること」のバランスが取れればさらに良い。定年後はどうしても運動不足になりがちだし、頭を使う場面も減少気味となる。
また「家の中ですること」と「出かけてすること」のバランスも意識したい。夫が定年をむかえる時の妻の大きな不安の一つは「夫がずっと家にいること」らしい。
更に「自分一人ですること」と「誰かと一緒にすること」のバランスも意識した方が良い。自分一人より仲間と一緒の方が楽しいし、また夫婦一緒にやることもあった方が楽しい。定年後仕事仲間との人間関係は急速に疎遠になりがちなので、地域での人間関係や趣味仲間の人間関係も広げていく努力は大切である。
しかし、仲のいい友人といえども現実には月に一度も会えないかも知れない。結局のところ定年後は孤独なのであり、定年後の夫が最も心の支えとする妻との関係においても、妻に先立たれる可能性をある程度覚悟しておく必要があるだろう。どうも男性にとって孤独に強くなる訓練は定年後を乗り切るカギともいえそうだ。