健康寿命を伸ばす「8020運動」

健康寿命を伸ばす「8020運動」黒田さん(52歳)は都内の上場企業に勤める管理職。先日、会社主催の50歳以上の職員を対象にしたセカンドライフセミナーに参加した。
そこで50歳代の健康管理についてのヘルスプログラムを受講したが、特に印象に残ったのは、これまで関心の薄かった「歯の健康(歯周病対策)」である。
受講者に配布された資料には、歯周病について次のような印象的な言葉が並んでいた。
「人生60年時代には無かった病気」「人類が最も多くかかった感染症」「歯周病は生活習慣病(自分の行動で変えられる)」「重症の歯周病は、循環器疾患、糖尿病等のリスクになる」「8020運動(ハチマルニイマル)」。ちなみに8020とは、高齢者でも自分の歯が20本以上残っていれば食生活に支障がないという研究から、80歳になっても自分の歯を20本以上保つことを目指した考え。
さらに、20本以上自分の歯を保持する人は、50歳代では9割以上、しかし60歳代後半になると約7割に減るとのこと。黒田さんは、最近、歯並びが少し悪くなったと感じていたので、歯への手入れ次第で50歳代以降の生活に大きな差がでると気づき、今から自分の歯20本の維持にこだわろうと決めた。
歯周病対策としては「歯間ブラシ等の歯間清掃具を使う」「年に1回歯の定期健診」「禁煙」「夜遅い食事を控える」等が効果的らしく、黒田さんはまず歯磨き時に歯間ブラシを使うことにした。半年前に虫歯の治療をした際にも歯間ブラシと歯の定期健診を指導されたが、そのときは歯磨きを真面目にやれば十分と考え、そのままにしたことを思い出した。今回は、歯の定期健診も申し込んだので、遅まきながら黒田さんの中で「8020運動」が始まったことになる。