遊び仲間を育てよう

遊び仲間を育てようサラリーマン時代は「ゴルフに麻雀、縄のれん」と、つきあいのよさを発揮してお金のかかる遊びばかりしてきた寺島さんも65歳。ただし、ゲートボールや園芸といった老人らしい遊びには、今のところ興味が湧かない。
再就職先もいよいよ退職となり、これからは好きな旅行やゴルフを楽しみたいと考えている。
心配なのはやはりお金。しかし、考えてみれば旅行やゴルフといった高額なレジャーほど時期や曜日による価格の違いが大きいもの。忙しいサラリーマン時代にはタクシー代などお金で時間を買ってきた寺島さんだが「これからは自由になる時間を使って、好きな旅行やゴルフを格安な料金で存分に楽しもう」との思いを新たにした。まさに「時は金なり」である。
厚生労働省の調査によると、高齢者世帯の1人当たり平均所得は201万円で、全世帯の平均220万円を若干下回っているが、時間が自由になることを考えると、シルバー世代はむしろリッチな世代といえる。レジャー産業も各種特典を用意して、シルバー世代の囲い込みに必死になっている。
得意のインターネットを駆使して「ハワイ6日間57,000円」を見つけ、勇んで奥さんを誘った寺島さんだが「せっかく海外に行くなら、ゆっくり羽根を伸ばしたいのでお友達と行ってくるわ」と相手にしてもらえない。奥さんに断られると、一緒に遊びに行ってくれるメンバーも思い浮ばない。
「趣味を育てるより、遊び仲間を育てることが大切だったな」と思い直した寺島さん。気を取り直して旅行サークルに入会し、これから一生遊べる友達をつくろう、と決意を新たにしたところである。