特別損益(とくべつそんえき)

「特別損益」とは、臨時に発生する損益や固定資産の売却損益などのことです。「特別損益」の中には、「特別利益」「特別損失」が表示されており、「経常利益」と合算されて「税引前当期純剰余(税引前当期純利益)」となります。特別損益に計上される主な項目は次のとおりです。

「固定資産等処分益・損」には、土地・建物といった不動産や動産などの資産を処分した際の帳簿上の価格額との差(利益または損失)を計上しています。
特別損失の欄の「価格変動準備金繰入額」とは、価格変動準備金に対する繰り入れの額です。価格変動準備金とは、株式などの価格変動が生じ得るものに対して、毎年一定範囲内で積み立てることが義務付けられているもので、株式などの価格が下落し、評価損等が発生した場合などに取り崩して損失を補てんするものです。取り崩した場合は、特別利益の欄に「価格変動準備金戻入額」が記載されます。
また、有価証券の評価益の計上は、売買目的有価証券のみに認められています。しかし、商法の特例として、保険業法第112条の規定により、責任準備金や配当準備金として積み立てることを条件に、市場価格のある株式については監督当局の認可を受けたうえで、評価益を計上することができます。これを「保険業法第112条評価益」といい、特別利益に計上されます。
なお、不動産などの固定資産について減損会計が適用され、資産の価値が帳簿上の価額を著しく下回り、投資額が回収できないと判断されたときに、「減損損失」が特別損失の欄に計上されます。

出典 : (社)生命保険協会発行「生命保険会社のディスクロージャー虎の巻2007年版」より