固定資産の減損会計(こていしさんのげんそんかいけい)

固定資産の減損会計は、不動産等の固定資産の市場価格が帳簿価額を著しく下回った場合等に、その資産から将来生ずると見込まれるキャッシュ・フローを算出し、投資額が回収できないと判断される場合に損失処理を行うものです。よって含み損がある固定資産であっても、収益性があり、将来投資額の回収が見込まれるものについては減損の対象とはなりません。

固定資産の減損会計の適用にあたっては、以下のような手順で行われます。 
① 資産のグルーピング
減損会計処理を行う単位を決定するために資産のグルーピングを行います。資産のグルーピングは、他の資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位で行います。
②減損の兆候の有無を判定
固定資産に減損が生じている可能性を示す兆候の有無(例:市場価格の著しい下落等)を判定します。兆候が見られる場合は、減損損失を認識すべきかどうかの判定を行います。 
③減損損失の認識
減損の兆候がある固定資産について、その資産から生み出される将来のキャッシュ・フロー(例:賃貸用不動産からの収益)の総額と固定資産の帳簿価額との比較を行います。将来のキャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合は減損損失の測定を行います。
④減損損失の測定
減損損失を認識すべきであると判定された固定資産について、帳簿価額を回収可能価額※まで減額し、差額を減損損失として計上します。
※回収可能価額:「正味売却価額」と「使用価値(将来のキャッシュ・フローの割引現在価値)」のいずれか高い方の金額

出典 : (社)生命保険協会発行「生命保険会社のディスクロージャー虎の巻2007年版」より