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個人年金保険とは?メリット・デメリットや公的年金との違いを解説

生命保険の種類
個人年金保険とは?メリット・デメリットや公的年金との違いを解説

※記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※文章表現の都合上、生命保険を「保険」、生命保険料を「保険料」と記載している部分があります。

長生きがリスクといわれる昨今、老後の生活資金をどのように確保するかは、多くの人が頭を悩ませている問題です。
日本には公的な年金制度がありますが、受給できる金額は人それぞれ異なります。そのため、公的年金だけでは不安であれば、老後の生活資金をほかに確保しなければいけません。その方法のひとつとして考えられるのが、個人年金保険です。
ここでは、個人年金保険の概要と公的年金との違いのほか、個人年金保険のメリット・デメリットについて解説します。

個人年金保険とは?

個人年金保険は、将来のための資金を計画的に準備できる保険です。例えば、公的年金や企業年金では老後の生活資金が不足しそうな場合、その補完として個人年金保険で準備することが考えられます。保険料を払い込み、契約時に決めた年齢に達したら保険料に応じた年金を受け取れるのが特徴です。

公的年金との違いは?

公的年金のうち国民年金は、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人が加入を義務づけられている年金保険です。一方、個人年金保険は保険会社が扱う保険商品のひとつであり、加入の義務はありません。公的年金や企業年金の補完として、老後の生活資金などの準備に役立てられる商品です。

なお、日本の年金制度は「3階建て構造」といわれており、1階と2階部分が公的年金といわれるものです。1階部分にあたる国民年金は全員加入することになっています。2階以上の部分の加入については、後述する国民年金の被保険者(保険がかけられている人)の区分などによって異なります。

公的年金との違いは?

※2021年8月現在

国民年金の被保険者の区分ごとにご説明しますと、以下のとおりになります。

  • 第1号被保険者

    第1号被保険者とは、自営業者や農林漁業、学生、無職の人などです。また、厚生年金や共済年金などに加入している人に扶養されていない配偶者なども含まれます(第2号被保険者を除く)。
    国民年金基金、個人型確定拠出年金(iDeCo)にも加入することができます。

  • 第2号被保険者

    第2号被保険者は、会社員と公務員が該当します。
    第2号被保険者は、1階部分の国民年金に加え、2階部分の厚生年金にも加入しています。3階部分は、iDeCoのほか、確定給付企業年金、企業型確定拠出年金、年金払い退職給付などがあり、会社員か公務員かの違いによっても異なります。

  • 第3号被保険者

    第3号被保険者とは、第2号被保険者である会社員や公務員に扶養されている配偶者です。第3号被保険者の場合、2階部分にあたるものはありません。iDeCoの加入は可能です。

公的年金について詳しくは日本年金機構のウェブサイトをご覧ください。
日本年金機構「公的年金の種類と加入する制度

個人年金保険の種類

個人年金保険は、3階建ての年金制度に加えて、その補完として、将来の生活資金を計画的に準備するために加入するものです。個人年金保険の種類は、主に確定年金、有期年金、終身年金の3種類に分けられます。
続いては、これら個人年金保険の種類について、詳しくご紹介します。

確定年金

確定年金

図版はイメージです。

確定年金とは、年金を決められた一定期間受け取れるものです。年金の受取期間は10年、15年などと決まっており、年金受取期間中に被保険者が死亡した場合でも、相続人が残りの受取期間の年金相当額を一時金または年金として受け取ることができます。

有期年金

有期年金

図版はイメージです。

有期年金も、確定年金と同様に年金の受取期間が10年、15年などと決まっています。確定年金との違いは、被保険者が年金受取期間中に死亡したらその時点で年金の支払いは終了し、相続人は残額を受け取ることができないという点です。
ただし、一部の有期年金には、設定された保証期間中に被保険者が死亡した場合、相続人に年金が支払われるものもあります。

終身年金

終身年金

図版はイメージです。

終身年金とは、被保険者が生存しているあいだは年金が受け取れる年金保険です。年金受取期間中に被保険者が死亡すると、年金の支払いは終了し、相続人が引き続き受け取ることはできません。ただし、設定された保証期間中に被保険者が死亡した場合、相続人に年金が支払われる保証期間付終身年金もあります。

個人年金保険のメリット

個人年金保険のメリットとしては、主に2つ挙げられます。ここでは、個人年金保険のメリットについて見ていきましょう。

貯蓄が苦手でも将来の生活資金を計画的に貯められる

個人年金保険のメリットのひとつは、普段の生活では貯蓄が苦手な方であっても、将来の生活資金を計画的に貯められるということです。老後のために貯蓄をしようと思っていてもなかなか習慣化できなかったり、せっかく貯蓄しているのに、日々の生活のために貯蓄を切り崩してしまったりすることもあるでしょう。
個人年金保険の場合、銀行などの預金と異なりすぐにお金を引き出せるわけではなく、また、年金支払開始前に解約した場合に払い込んだ保険料の総額よりも解約返還金(解約返戻金)の額が少なくなってしまうなど、解約に対して一定のハードルがあるため、計画的な貯蓄を継続しやすいといえるでしょう。

個人年金保険料控除が受けられる

個人年金保険のもうひとつのメリットは、個人年金保険料控除が受けられるということです。
個人年金保険の保険料は、一定条件を満たせば、最高で年間4万円(2011年12月31日以前に締結した保険契約などの旧制度では最高で年間5万円)の個人年金保険料控除が受けられます。控除された分だけ課税所得金額が少なくなるため、所得税や住民税を抑えることができます。
また、個人年金保険の控除額は、終身保険や定期保険といった一般生命保険の控除額とは別に設定されています(外貨建個人年金の保険料は一般生命保険料控除になります)。すでに終身保険や定期保険などに入っている方も、個人年金保険に加入することで控除額を増やすことが可能です。

なお、個人年金保険の保険料が個人年金保険料控除の対象となる主な条件は以下のとおりです。

  • 年金受取人が契約者(保険料負担者)または契約者の配偶者であること

  • 年金受取人が被保険者であること

  • 保険料払込期間が10年以上あること

  • 年金の種類が確定年金の場合、年金支払開始日の被保険者の年齢が60歳以上であり、かつ年金支払期間が10年以上あること

※税務の取り扱いについては、2021年7月時点の法令等にもとづいたものであり、将来的に変更されることもあります。
変更された場合には、変更後の取り扱いが適用されますのでご注意ください。詳細については、税理士や所轄の税務署等にご確認ください。

個人年金保険のデメリット

一方で、個人年金のデメリットも主に2つ挙げられます。続いては、個人年金のデメリットについて解説しましょう。

インフレに弱い

個人年金保険は、インフレによって急激に物価が上昇した場合に、受け取る年金の価値が目減りしてしまうのがデメリットです。
個人年金保険の多くは、契約した時点で受け取れる年金の額は決まっています。そのため、払込期間中や受取期間中にインフレで物価が上昇したとしても、受け取れる年金の額は契約した時点のままで変わりません。
受け取れる年金の価値が相対的に減少してしまうため、想定した生活をするのに十分な金額を受け取れない場合があります。
ただし、利率変動型の個人年金保険もあり、その場合はインフレに対応できる可能性もあります。

早く亡くなると受け取る年金の総額が支払った保険料を下回る場合も

有期年金や終身年金を選んだ場合、年金が支払われるのは、基本的に被保険者が亡くなるまでです。長生きのリスクに備えられるメリットがある一方、早く亡くなった場合は、受け取れる年金の総額が支払った保険料を大幅に下回ってしまうかもしれません。
なお、年金を受け取る前に被保険者が亡くなった場合は、死亡給付金(死亡払戻金)として、払込保険料相当分の金額が相続人に対して支払われます。

トンチン年金という選択肢も

長生きのリスクに備える保険商品としては、トンチン年金もあります。トンチン年金とは、年金受け取り前に亡くなった人への死亡返還金(死亡払戻金)や解約返還金を減らし、受け取れる年金額を大きくしている個人年金保険で、一般的な個人年金保険に比べ、生きている場合に受け取れる年金の額が多い傾向にあります。

トンチン年金のメリットは、一般的な個人年金保険よりも受け取れる年金の額が多いことに加え、終身型もあり、より長生きのリスクに備えられることです。一方、デメリットは、年金を受け取る年齢よりも早く亡くなってしまったり、払込期間満了前に解約したりした場合、死亡返還金や解約返還金の額が払い込んだ保険料の総額を大きく下回ってしまうという点です。

個人年金保険は公的年金を補うもの

個人年金保険は、将来のための資金を計画的に準備できる保険で、老後の生活資金準備などの目的で加入するものです。貯蓄だけで老後の生活資金を準備するのに比べ、税負担が軽減できるなどのメリットがある一方、インフレに弱いなどのデメリットもあります。
個人年金保険の特徴を踏まえた上で、利用を検討してみてください。保険選びが難しい場合は、下記のリンクから相談してみてはいかがでしょうか。

監修

井戸美枝
CFP(R)、社会保険労務士。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。社会保障審議会企業年金・個人年金部会委員。「難しいことでもわかりやすく」をモットーに数々の雑誌や新聞に連載を持つ。近著に『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP社)などがある。

※この記事は、ほけんの第一歩編集部が上記監修者のもと、制作したものです。
※記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※文章表現の都合上、生命保険を「保険」、生命保険料を「保険料」と記載している部分があります。

(登)C21N0055(2021.8.19)

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