学びなおすシニア

学びなおすシニア景気の先行きが不透明な昨今、仕事に役立つ資格取得を目指す人が少なくない。法科大学院やビジネススクールを設置する大学が相次いでいるが、社会人も通えるよう夜間コースを設置しているところも多い。
新しいことを学びたい気持ちは年齢には関係ない。ここ数年、趣味や教養を深めるカルチャーセンターやオープンカレッジでは飽き足らず、実践につながる学問を探求したいと考える高齢者が増えている。
たとえば、江戸川区では、2004年に江戸川総合人生大学を設立した。江戸川まちづくり学科、国際コミュニティ学科からなる地域デザイン学部、子ども支援学科、介護・福祉学科からなる人生科学部がある。こうした「大学」を設置する自治体は増えている。
大学や大学院で本格的に学ぶシニアもいる。「子育てが終わったので、昔は家庭の事情で進めなかった大学で学んでみたい」「定年退職し、これまでの仕事とはまったく関係のない分野の勉強を始めたい」といった動機だ。少子化が進み、大学全入時代を迎えている昨今、大学にとっても、シニアの学生は大歓迎。社会人枠の入学制度を設置する大学も増えている。退職した高齢者は、出世や転職のためではなく、純粋に「学びたい」という気持ちが強いので、まじめな学生が多いという。
立教大学は2008年、50歳以上のシニアを対象とした一年コースの大学を開講した。社会保障や介護に関する教養講座のほか、ボランティア活動入門やアジアの貧困問題など、分野は多岐にわたる。実学が中心なので、「定年退職後、社会や地域に貢献する活動をしたい」という夢を抱いて入学する学生が少なくない。実際、卒業後、地域でボランティア活動をはじめた人、あるいは大学院に入学して、さらに本格的に学ぶ人もいる。前職や性別、住んでいる地域に関係なく、同じ夢を持った人たちが集まる学びの場は、シニアの仲間作りにも一役買っている。
高齢者の学びの効果はまだある。「イキイキしてきた」「家庭内での話題が増えた」など、家族からの評価が良くなるという。何歳になっても夢や好奇心をもち、新しい知識を吸収することに貪欲な姿は、家族やまわりの人にとってもよい刺激になる。