リタイアすることで発生する支出

定年で発生する支出

前回、リタイアによって不要となる支出についてふれたが、今回はリタイアにより発生する支出を考えてみよう。上田さんは現役を引退して現在は年金生活者。上田さんによると通常の生活費の他に予想外の出費があるという。

  • 1.まず、趣味や生きがいのための費用。上田さんはカルチャースクールで水彩画を、市の主催するスポーツ教室で太極拳を習っている。月謝合計は月に1万5千円ぐらいだが、終わった後に仲間と一杯飲んだり食事をしたりするので、妻の趣味の月謝分を含めると夫婦で3万円ほどかかる。
  • 2.次は、旅行の費用。現役のころは旅行とは無縁だったが、今は月に1回は国内旅行、年に1回は海外旅行を計画している。そして、いざ実行するとなると結構な出費となる。夫婦で年70万円ぐらいはかかる。上田さんはこれらの費用は貯蓄を取り崩して使っている。
  • 3.また、細かい出費であるが、外出時の交通費、要するに足代。現役のころは通勤定期があったため、あまり気にならなかった。しかし、今ではチョット都心に出るとすぐ千円以上かかってしまう。まさに「ちりも積もれば山」。
  • 4.注意しておきたいのが妻にかかる国民年金保険料(月1万6410円:2019年度)。上田さんの場合、妻が年下なので、上田さんがリタイアしてから妻が60歳になるまでの期間、保険料を掛け続けなければならない。ただし妻が60歳になっている場合は必要ない。
  • 5.退職の年及びその翌年にかかる住民税にも注意したい。現役の所得に対応した住民税が1年遅れでかかってくる。
  • 6.これ以外にも、近所付き合いの交際費等がかかるが、これは大した額ではなさそうだ。