健康診断はこう受ける!医師が見ているポイントとは?

健康診断はこう受ける!医師が見ているポイントとは?

健康診断書、しっかりチェックしていますか?

これからの人生を健康に過ごすためにも健康診断の受診はとても重要です。一方では、「異常あり」と書かれていても、何をどう対応していいのか判断しづらいということも聞きます。
そこで今回は、山王病院山王メディカルセンターに務める、菊池祐二郎先生に、実際に医師が健康診断書で何を見ているのか、についてお話していただきました。
先生によると、健康診断書の数値ももちろん大切ですが、実は別のポイントも重要視して見ているとのことのです。
今後の健康診断のご参考に、ぜひ最後までご覧ください。

医師が見ている健康診断のポイント

菊池先生いわく、医師は健康診断で主に3つのポイントを重視しています。
健康診断書はあくまで、いまの健康状態の結果です。本当に医師が重要視しているのは健康診断書には記載されない、問診でしかわからない事柄でした。

家族の既往歴

家族の既往歴 健康診断の問診や、事前アンケートなどで必ず聞かれる「家族の既往歴」ですが、実はここに将来のリスクを知るヒントが隠されているようです。

たとえば、両親ががんや心筋梗塞、脳卒中などいわゆる3大疾病にかかったことがある場合、生活習慣が似ることが多いその子どもも他の人と比べて、そのリスクが高くなる傾向にあるようです。
それは、糖尿病や腎臓病などでも同じことです。
医師は表に出ている数値よりも、その既往歴を含めて健康診断書を見ることで、本人の病気のリスクを探ります。

心筋梗塞や脳梗塞など血管系の病気が家族にあった場合は、血管系である血圧・コレステロール・糖尿病の検査の数値など、家族の病歴に呼応する数値をチェックしたほうがよいでしょう。

現状の健康状態

現状の健康状態 こちらも問診や、事前アンケートで必ず聞かれる「最近、体調はいかがですか?」という質問ですが、医師はこちらも重視しています。

「最近、体調はいかがですか?」と聞かれれば、普通「胃がシクシクします」「たまに頭痛があります」など、具体的な部位を出して返答するのではないでしょうか。その部位に呼応する数値に問題があれば、医師は再検査を勧めるなどの対応を取りますし、本人も検査を受ける気持ちになるでしょう。

菊池先生いわく、むしろ問題は「特に問題ない」と答えた場合とのことです。問題がないと言っているのに、数値に異常が発生している場合、そこにはいわゆる「サイレントキラー」の存在があります。たとえば食事に気を遣っているのに、中性脂肪が高い場合などは、脂肪を分解する酵素が生まれつき弱い可能性なども考えられます。

体調に異変がないのに、数値に異常がある場合はそこを重点的にチェックしたほうがよいでしょう。

数値の時系列での変化

数値の時系列での変化 最後は定期的な健診の有無です。前述のように、医師は現状現れていないリスクも含めて、患者の体を見ています。そのため、時系列に沿って、数値がどのように変化しているかがとても重要になってきます。

毎年健診を受けていれば、1年後の数値が急激に悪くなっていた場合、その期間の生活の変化などを調べることで状態が把握できますので、疾病の早期発見、早期治療が行えます。
しかし、5年ほど空いてしまっていたとしたら、その原因を探ることは難しいでしょう。

前出のサイレントキラーは体調に異変がないために、気が付かないうちに進行します。取り返しのつかないレベルになる前に異変に気付くために、定期的に健康診断を受け数値をチェックするようにしましょう。

数値の時系列での変化 このように、医師は一見アイスブレイクのような質問で、患者が抱えている将来的なリスクまで見ています。
健康診断結果についてはその所見を確かめるためのものであり、現状の進行について確認するためのものでしかありません。
そのリスクの進行度を知るためにも、「数値の時系列での変化」がわかるように、定期的な検診は重要です。それを踏まえると、健康診断書で見るべきポイントは以下の3つとなります。

  • 家族が患ったことのある部位の数値
  • 自覚症状がないのに数値が悪い部位
  • 急激に数値が悪化している部位

まとめ

  • 医師が重視しているのは、「家族の既往歴」「現状の健康状態」「数値の時系列での変化」の3つ
  • 体調に異変がないのに、数値に異常がある場合は「サイレントキラー」に注意が必要
  • 健康診断の間隔があくと、原因を探るのが困難になることもある

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